小学生の穴うめ問題

平成30年6月4日(月),午後1時30分,快晴です。これまでにも気温の高い日はありましたが,本日は自宅の窓から入る風に,時々真夏の熱を感じます。多分,今年に入って初めての感覚です。

 季節がほんの少しずつ,しかし確実に移ろっているようです。

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 さて,本日は,小学生の穴うめ問題について書いてみます。

 上の写真は,近藤塾で使っている小5の『小数÷小数』の単元学習用のプリントです。

 この単元を始めて学習するときに使うことを前提として作っているため,小数÷小数の計算が,単なる計算問題ではなく,穴うめ形式で出題されています。

 まず小数÷小数の計算の元になる考え方を確認するための問題です。

 穴うめ形式をとるのは,生徒の考えをリードし,助ける効果を考えてのことで,教科書や学校の宿題等でもよく見る出題形式かと思います。

 ところが,この穴うめ形式,生徒諸君の,その単元に対する理解度を測る指標になることがあります。

 穴うめの問題,大人が考えると,問題形式がそのままヒントになっていて簡単だと考えがちですが,実は,生徒諸君にとっては意外と難しいことがあります。正確に穴をうめていくためには,問題をよく読み,それぞれのブランクに何をかけばぴったり当てはまるのかを考えなければなりません。ごまかしがきかないのです。

 いわゆる『算数ができる』生徒でも,とまどうことは多いようです。

 ただ,少し説明をすると,概念と考え方の筋道をきちんと理解している生徒ならすぐポイントをつかみ,前に向いて進み始めます。この段階で,その生徒にとっては,穴うめ問題は『楽勝』問題になるわけです。

 ところが中には,ただの計算問題ならある程度できるのに,穴うめになると手も足も出ない。説明をしても,何をどこにかいてよいのかが解らないという,逆転現象が起こる生徒さんもいます。一応穴はうめていても,指導する側が見ると,何をどう考えてうめているのか,どこをどうまちがっているのかが全く解らないことも。

 これが極端な場合は要注意。その単元に限らず,理屈を考えず,『何となくこうすれば答えが出るな』だけで日々を切り抜けてきているかもしれません。

 放置すればするほど,付けが溜まっていくのはこのタイプ。日々の学校での学習や宿題に費やした時間がすべてむだになっているかも…です。そして,実は,たくさんそういう生徒さんはいます。

 こうなると自力で学習して力を付けることは非常に難しいでしょう。なにせ,『考える』ということをしてきていないのですから。
 
 まずは考えながら学習する経験をすることから始める必要があります。

 近藤塾で指導させていただく際は,まず自分で考えてもらうという過程を省き,横に座りこんで,考え方を最初から丁寧に説明し,それを元に演習問題を解くところから始めていきます。それを繰り返し,繰り返し行っていくことで,まず何か一つ,『これは確かに理解している』といえる足場を作ることに専念するのです。

 それができたら,それを増やしていく。その過程の中で『考える』とはどういう作業なのかが少しずつ解ってくるものです。そこまで来て,やっとA君にとっての『学習』が始まったといえるのです。

 全員というわけにはいきませんが,中には覚醒し,ある時点から目に見えて成績が伸びていく,力がついていくということも。塾としてもこうなってくれることこそが指導の一つの目的であり,とてもうれしいことです。

 またまた長くなってしまいました。最後までお付き合いいただきありがとうございました。もしも,もしも,気に入っていただけましたら,ぜひまた足をお運びください。
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 よろしくお願いいたします。

 
 

 

 

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